わたしの一部を作った本たち

Twitterのフォロワーさんから、「どういった本や映画を見て、今の思考に辿り着いたのですか」という質問をいただきました。

 

本は子供の頃から好きで、毎週図書館で10冊以上は借りて読み漁っています。

気に入った本や図書館にない本、専門書は購入します。

 

外出先には2〜3冊持っていかないと不安になってしまうほどです。

kindle電子書籍も、スマホタブレットで読むので、外出先に本を持っていくのがだいぶ楽になりました。

 

紙の本の良さも当然ありますが、電子書籍電子書籍で素晴らしいメリットがたくさんあるので、電子書籍を頭ごなしに否定している人はもったいないなぁと。

 

さて今のわたしの思想形成に大きく影響した本はなんなのかと考え本棚に向かいましたが…、選びきれず。

 

カテゴリー 別で少し紹介させていただきます。

 

自死遺族になったばかりのときは、やはり「自死」関連本を読み漁りました。

もちろん最初に活字を読む余裕も楽しさも消失していましたが、ある時期から今度は取り憑かれたように本をむさぼり読みました。

 

 最初はやはり同じ体験をされた人の本から入りました。

物語のような、小説のような構成で読みやすいものでした。

しかし後半から、あしなが育英会ライフリンクの清水氏の話がメインになり、

どちらかと言うとこの活動内容の広報のようにも感じられました。

もっと表紙の彼の「生の声」に期待したのですが、よく悪くも編集されすぎた感がありました。

「ぼくの父さんは、自殺した。」―その一言を語れる今 (Soenshaグリーンブックス)

「ぼくの父さんは、自殺した。」―その一言を語れる今 (Soenshaグリーンブックス)

 

 

 

次もあしなが育英会関連の本です。

主に「自死遺児」の体験文集です。

自死遺族特有の想いが生々しく書かれており、強く共感する想いがたくさんありました。

ただ文集に乗せるぐらいなので前向きな姿勢の人が多く、違和感もありました。

そしてやはり後半はあしなが育英会の活動広報です。

広報をしたいなら違う媒体で違うタイトルをつけてすればいいのにとも思ってしまいます。

 自死遺児を広報活動に利用しているのではと、うがった見方もできてしまいそうです。

自殺って言えなかった。 (サンマーク文庫)

自殺って言えなかった。 (サンマーク文庫)

 

 

 

 

次に読んだのが、自死遺族関連の本でした。

 自死遺族特有の感情の波やその流れが説明されています。

ただその自死遺族に対してのアプローチ、自殺予防などがメインテーマなので、自死遺族当事者がなにか救いやきっかけをみつけるための本ではない気がします。

サポーターが読むべき本なのかもしれません。

自殺、そして遺された人々

自殺、そして遺された人々

 

 

 

この本は、遺族の体験集から、遺族へのアンケート、そして専門家たちの悲哀のプロセス、分かち合いの説明が丁寧に述べられています。

自死」が遺すもの、では自死遺族に注がれるまなざしや自死者の心理説明があり、なるほどと思う箇所が多々ありました。

グリーフケア・サポートプラザという団体のもと、書かれた本なので、事例も豊富で多くの自死遺族との接触があり、自死遺族を理解できる本だと思います。

自ら逝ったあなた、遺された私―家族の自死と向きあう (朝日選書)

自ら逝ったあなた、遺された私―家族の自死と向きあう (朝日選書)

 

 

 

この本は自死遺族の気持ちの移り変わりをもっとも体系的に順を追って説明し、その過程での注意点など書かれています。

なぜうつ状態なり、なぜ強い希死念慮が出てくるのかも説明があり、自死遺族、自分の心の経緯を理解する上でもっとも参考になった本です。

 

 

 

 自殺、自死遺族、死にたい気持ちなどについて全般的に書かれており、セラピー的な語り口調です。ただ内容が広すぎ、あちこちに飛んでしまう感じがあり、これがいいのか悪いのか。

「心理学者、入魂の書き下ろし」!というほどのものではないなぁ、と。

あなたが死んだら私は悲しい  心理学者からのいのちのメッセージ (Forest books)

あなたが死んだら私は悲しい 心理学者からのいのちのメッセージ (Forest books)

 

 

 

「晴朗で健全で、そして平常心で決行されたひとつの自死」という帯。

哲学者の理論武装は隙がなく、理路整然と自死への道のりを述べている。

しかしそれでもなお、最期まで葛藤に満ちていたように思う。

 

生き方は死に方。 

「死ぬこと」、「生きること」について深く深く考えさせられた。

自死という生き方―覚悟して逝った哲学者

自死という生き方―覚悟して逝った哲学者

 

 

 

自我に取り込まれた「死」、「死に憑かれた自我」。

この衝撃的な文言に吸い込まれるようにこの本に取り憑かれました。

精神医学者のフロイトの「死の欲動」を臨床現場からの考察し、「死の選択権」、「自殺する権利」を倫理学的考察している。

かなり専門的な本で難解なところもあったが、「死」を体系的に深く学べ、私の死生観や自殺への認識が再構築できた良書でした。

 
死の欲動―臨床人間学ノート

死の欲動―臨床人間学ノート

 

 

 

 

以上が、自殺、自死遺族に関する私が読んだ主な本です。

自分がつらい思いをしたのに、他者の自死体験談や、メンタル的に悩んでいるのにメンタル系の本を読むことは苦痛なときもあり、そのたびに歩みを止めてました。

 

私は何に苦しみ、なんで苦しみ、いつまで苦しみ続けるのか。

なぜ人は自ら死ぬのか、それは果たしていけないことなのか、命は誰のものなのか。

 

「知らない」は時として恐怖にも繋がります。

まずは「知ること」から始めました。

 

消えたい気持ち、消えていったあの人も気持ち、

死んでいく人々、遺されていく人々。 

 

 

次は、メンタル系の本を紹介したいと思います。

簡単な書評ですが、思い出すためにまた本を引っ張り出し、内容を思い出しているので、少しお時間かかってしまいもう訳ありません。

 

再読で、再発見でき新鮮な気持ち、昔の無我夢中で読み漁った時期のことなど走馬灯のように思い出し、物思いにふけっています。

 

ありがとうございます。